両親の愛情が子どもの健全な成長に不可欠であるとの認識のもと、子どもの連れ去り別居、その後の引き離しによる親子の断絶を防止し、子の最善の利益が実現される法制度の構築を目指します

平成31年1月12日、Yahooニュース

夫婦をやめてお金と時間を手にしたい38歳主婦、離婚に向けて行う4つの「離活」(上)

 神社の拝殿で鈴を鳴らし、二礼二拍一礼の作法で頭を下げ、手を打ち、もう一度、頭を下げる。あなたは目を閉じて何を思い浮かべますか。前の1年を振り返りつつ、次の1年に思いを巡らすのではないでしょうか。特に今年は平成最後の初詣なので感慨深いはず。

 心機一転という感じで新しい目標を立て、その実現を願うのですが、遅ればせながら、「そういえば!」と気付くはず。実は去年の目標を達成していないことを。もしかすると、目標が何なのかすら思い出せないかもしれません。初詣は結局のところ、毎年同じことの繰り返しなのだから。

 今年の元旦も何かしらの目標を掲げたのでしょうが、そろそろ悟りましょう。新しく何かを始めるには今まで続けてきた何かをやめなければならないことを。残念ながら、やる気やお金、そして時間は無限ではなく有限です。いくら神頼みしたところで、社畜としてこき使われる身分は変わらないし、札束が空から降ってくるわけではありません。年末の時点で懐がカツカツ、予定がパンパン、そして、心がフラフラなのに、年明けにタスクを追加するなんて無理でしょう。

 新年の最初に決めるべきなのは「何をやめるか」ですが、私のところには新年早々、「夫婦をやめたい!」と相談しに来る人が後を絶ちません。「夫婦をやめる=離婚」という意味ですが、夫との結婚生活を「やめれば」自由になるお金、時間、そして何より、心の平和が手に入ると信じて疑わないのは、今回の相談者・武井美和子さん(38歳)。美和子さんは15年間、連れ添った夫を断捨離したいと考えていたのです。

 ところで、10年前の流行語が何だったか覚えているでしょうか。2009年の「ユーキャン流行語大賞」にノミネートされたのは離婚活動(=離活)。美和子さんが何の武器も持たず、防具も付けず、出たとこ勝負で「もううんざり! 実家に帰らせてもらうわ!!」と切り出してもケチョンケチョンにされるのがオチ。なぜなら、専業主婦15年の美和子さんと会社員20年の夫では交渉術の巧拙に雲泥の差があるのだから。

 そこで、来るべきXデー(離婚日)に向けて養育費や慰謝料、解決金や財産…妻の取り分を最大化すべく虎視眈々(たんたん)と準備を整えておくことが大事です。]]

 それでは、美和子さんは具体的に何をすればよいのでしょうか。今回取り上げる離活は「離婚資金を準備する」「何が何でも慰謝料を取る」「子どもの親権を渡さない」「長期戦に備え、避難先を確保する」の4つです。順番に見ていきましょう。

<家族構成と登場人物、属性(すべて仮名。年齢は現在)>
夫:武井良知(42歳)→会社員(年収700万円)
妻:武井美和子(38歳)→専業主婦 ※今回の相談者
長女:武井由奈(7歳)→武井夫婦の娘

1.離婚資金を準備するための離活

「今すぐ離婚届をたたきつけて、あいつの籍から抜けたいのよ。あいつのLINEをブロックしたいし…」

 美和子さんはそんなふうに訴えかけますが、離婚はタダ(無料)ではありません。引っ越し代や家財購入費、敷金・礼金や当面の生活費などの一時金は必須ですが、今さら憎き夫に頭を下げるのは無理。それなら、離婚資金を自力で何とかするしかありません。

「毎月、旦那さんから渡される生活費を切り詰め、節約した分を貯めておいたらどうでしょうか」

 私は美和子さんにアドバイスしたのですが、「へそくり」を作ろうという意味です。美和子さんは、今さらパートの仕事を始めて、稼いだ収入を離婚資金に充てるのは面倒だと考えていたようです。

「新しい彼に援助してもらえばいいし、今、はやっているママ活でもいいでしょ」

 美和子さんは喜々として言うのですが、家族カードのクレジット払いを利用して、ボーナス払いを選択し、夫の口座から引き落とされるのが離婚後になるように工夫するつもりだそう。家族の貯金を夫の口座に入れているので残高を引き出して自分の口座に移したり、夫の生命保険や子どもの学資保険を解約し、返戻金を美和子さんの口座に移したりすることも忘れずにやっておくつもりだそうです。

2.何が何でも慰謝料を取るための離活

 他人同士の男女が交際し、求婚し、結婚するのだから、「続ける」つもりで籍を入れたはずです。前向きな気持ちで夫婦になったのに、後ろ向きな気持ちが膨らんで離婚せざるをえなくなったのは、夫だけのせいではなく、夫にも妻にも相応の落ち度や欠点、そしてボタンの掛け違いがあったはず。そのため、不倫や借金、暴力など特別な事情がない限り、けんか両成敗「せず」。「慰謝料」の3文字を口にせずに収束します。

 しかし、美和子さんは長年の鬱積(うっせき)により、「あいつのせいで人生がめちゃくちゃだわ!」と被害妄想に取りつかれ、自分の過ちを顧みず、「10対0であっちが悪い!」と本気で信じていたのです。

「お互い様なんだから仕方がないよね」

 美和子さんが実家の母親に相談したところ、そんなふうに諭されたのですが、せっかく話を聞いてくれた母親に向かって逆ギレしてしまったそう。「私がどんなに苦しい思いをしたのか分かっているの。慰謝料を分捕らないと気が済まないのよ!」と。

 はたから見れば、明らかに「性格の不一致」なのに慰謝料を発生させるにはどうしたらよいのでしょうか。美和子さんは「DV夫」に仕立てることを思いついたようです。具体的には、スマートフォンの録音機能を準備して夫婦げんかの一部始終を録音し、日付や場所をメモしておきました。

 実際、美和子さんの夫は物静かで言葉数が少なく、感情の起伏が小さいタイプでした。美和子さんは夫の人格を否定したり、過去を蒸し返したり、両親の悪口を言ったり…夫がキレるまで挑発し続けたのです。そして後日、録音データを加工しました。「何だと!」「ふざけるな!」「いい加減にしろ!」など夫が捨てぜりふを吐いた場面、売り言葉に買い言葉で勢い余ってエキサイトした場面、我慢の限界を超えて思わずテーブルをたたいた場面などを残し、それ以外は削除すれば完成です。

 そして、修正済みの録音を学生時代の女友達に聞かせて、美和子さん寄りの証言をしてもらいました。「とんでもない旦那だわ。だって手を上げたんでしょ。やっていいこととダメなことがあるじゃない? 越えてはいけない一線を越えているよ。『万が一のこと』も考えて実家に戻った方がいいんじゃない? いや、いっそのこと離婚しちゃいなよ!」と。女友達が力いっぱいに夫のことを批判してくれたので、いっちょ上がりです。

 さらに、警察へ駆け込んで「このままじゃ殺される」と訴えかけたそうです。ただし、まだ離婚の準備段階なので、「夫のDVに長年悩んでいて、警察に相談したこともある」という既成事実を作るだけで十分です。「警察に来たことを旦那に知られたら何をしでかすか分からない」と話し、今すぐ大事にならないよう気を付けたのです。

 妻の個人的な意見は握りつぶされる可能性がありますが、「妻以外の誰か」と口裏を合わせておくことで、多勢に無勢という感じで押し切ることができます。慰謝料とは精神的苦痛の対価ですが、途中の経緯はともかく、DVによって苦痛を与えたのは確かなのだから、慰謝料を払わざるをえなくなります。

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