両親の愛情が子どもの健全な成長に不可欠であるとの認識のもと、子どもの連れ去り別居、その後の引き離しによる親子の断絶を防止し、子の最善の利益が実現される法制度の構築を目指します

平成28年2月2日、静岡新聞

「わが子」に会いたい~離婚と面会交流(4)心の整理できずに困惑

 厚生労働省の調査によると、1950年代、親権者は父親が過半数を占めたが70年代に逆転し、90年代以降は「母親8割」の状態が続いている。面会交流を求めても会えないのは、父親が多い。親権を得た母親たちはなぜ、子どもを会わせたがらないのか。
 静岡市でシングルマザーを支援する「シングルペアレント101」は昨年、離婚数年の段階で、悩みながら面会交流を続けている母親たちの座談会を設けて実態を探った。「結婚中のつらかった出来事を思い出す」。多くがそう語り、離婚の遺恨を抱えたまま、面会交流に臨むことに困惑していることが分かった。
 県中部の30代女性は「離婚調停で絶対に顔を合わせないよう配慮してもらったのに、離婚後の面会になると『あとは2人で』と放り出される」と不満を語る。40代女性は「元夫に会うと、相手が絶対優位のパワーバランスに引き戻されて苦しい。日程調整を求める普通の文面のメールさえ『会えなければこちらから行く』と脅迫のように感じる」という。
 母親は面会交流に同伴しなくても良い。父親の中にも「同伴されると、子どもが顔色をうかがう」と反対する声が根強い。しかし母親たちは「自分が見ていないと不安」と口をそろえる。
 子どもが、面会で父親への思慕を募らせていくことに戸惑う母親も少なくない。県中部の30代女性は娘に「パパと一緒に暮らしたい」と懇願された。子どもの心情をくめば、元夫ばかりを悪者にできない。「とっさに『ママがけんかしちゃった』と自分のせいにした。気持ちのやり場がない」と話す。
 面会の翌日、息子が保育園で「パパに会えてうれしかった」と打ち明けたのを、保育士に聞いた40代女性は「心苦しかった半面、『子どもにとって良かった』と、初めて思えた」と複雑な心境を吐露した。離婚調停に際し、調停委員から面会交流が「子どもの利益」と促されても理解できなかった。「でも信頼できる保育士に聞いたらすんなり受け入れられた」。息子は最近、元夫に自分の携帯電話を介してメールを送り始めた。「まあ、いいか」と黙認できるようになった。
 「101」の田中志保代表は「日程調整や同伴を一人で行うことは、心理的な負荷が大きい。離婚から数年と間もないうちは特に、前向きにはなれない」と指摘し、第三者による継続支援の必要性を強調する。
 県内には少ないものの、面会交流の付き添いや日程調整などを、両親の同意の下で行う支援団体は各地で増えつつある。「びじっと」(横浜市)の古市理奈代表理事も「支援を受けて初めて、冷静になる親は多い」と語る。
 半年ぶりに再会したゼロ歳児が離別親に抱かれると急に泣きやんだり、会えなかった寂しさを子どもがぶつけ、絆をつくったりする場面を見てきた。古市さんは「子は親を忘れない。両親がどんな人かを知ることが子どもの自己肯定につながり、将来的な自立に結び付く」と言い切る。悩んでいる両親には、支援を新しい福祉として意義を見いだしてほしいと願っている。

 <メモ> 県内にスタッフがいる面会交流支援団体は、「びじっと」(横浜市)と「ウインク」(千葉県船橋市)の2団体がある。県内に本部を置く団体はまだないとみられる。県は本年度、(1)県内在住(2)児童扶養手当の受給と同様の所得水準である―などの条件を満たす両親を対象に、交流支援事業を実施した。

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