平成28年12月29日、時事通信
離婚後の引き渡しルール明確化=民事執行法改正へ議論―法制審
離婚した夫婦間で子どもを引き渡すルールをめぐり、法制審議会(法相の諮問機関)の議論が来年、本格化する。
親権を失った方の親が引き渡しに応じない場合、日数に応じて制裁金が加算される「間接強制金」の導入も視野に入れている。法務省は法制審の答申を経て、2018年の通常国会に民事執行法の改正案提出を目指す。
同法には、子の引き渡しの強制執行について明文規定がなく、「動産」の引き渡し規定を類推適用してきた。ただ、子どもを動産として扱うことには、福祉や人道上の観点から問題も指摘されている。最高裁によると、15年の申立件数97件のうち、実際に引き渡されたのは27件にとどまっている。
そこで論点に浮上しているのが間接強制金だ。国際結婚が破綻した夫婦間の子どもの扱いを定めたハーグ条約と、その国内手続きを規定したハーグ条約実施法にならったもので、同居する親が引き渡しに応じるまで、金銭の支払額が日ごとに加算される仕組みだ。同実施法ではまた、子と同居している親が一緒にいるときに限り、強制執行を認めている。
ただ、間接強制金を支払えば、子どもの引き渡しを免れると誤解する親もいるという。同居する親の目の前での引き渡しは、執行官とのもみあいになるトラブルも想定される。このため法制審は慎重に議論を進める方針だ。
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