両親の愛情が子どもの健全な成長に不可欠であるとの認識のもと、子どもの連れ去り別居、その後の引き離しによる親子の断絶を防止し、子の最善の利益が実現される法制度の構築を目指します

平成27年8月22日、西日本新聞

離婚や非行 事例交え助言 元家裁調査官が本出版

 37年間、家庭裁判所で離婚や少年事件と向き合ってきた元家裁調査官の山崎一馬さん(66)=福岡市中央区=が「元家裁調査官からのことづて 悩みを生きる幸せ」を出版した。担当した具体例を紹介しながら、離婚家庭での子どもへの配慮、夫婦円満のこつ、非行に走る少年のケアなど、助言や教訓が盛り込まれている。

 家裁は、夫婦や親族間の争いを解決したり、非行を犯した少年の処分を決定したりする。調査官は、解決を図るため紛争の原因を探り、少年の処分決定のために事件の背景などを調べる専門職だ。

 山崎さんは1973年に家裁調査官補となった後、調査官として福岡や佐賀、長崎などの家裁に勤務した。2010年に退職後は、西南学院大などで非常勤講師を務めている。

 調査官時代は主に離婚調停と少年事件を担当した。05年には鹿児島家裁の調査官有志9人で、子どもの目線から離婚を描いた絵本「あしたてんきになあれ」(未知谷、1620円)を出版したこともある。

 厚生労働省の推計では、14年の離婚件数は22万2千組で、婚姻件数(64万9千組)の3分の1に上る。また、司法統計によると、13年に家裁が面会交流で新規に受理した調停は1万762件で10年前の2・5倍に増えるなど、子どもをめぐる紛争の調停申し立ては年々増えている。

 山崎さんは「子どもにとって親の別居や離婚は想像もできないほど大変な出来事」と指摘する。「離婚しても常に両親に見守られているという実感を持てるように配慮することや、面会交流が子どもの成長にとっては役割を果たすという認識が重要」と説く。

 子どもに離婚をどう伝えるか‐。「うそをつかない」「(夫や妻の)悪口など相手に抱いている負の感情は伝えない」などが大切とした上で、伝え方の具体例を紹介する。

 「パパとママはけんかしたんだけど、お互いに『ごめんね』ができなくなっちゃった」「家族一緒に生活できなくなって、つらい思いをさせてごめんね」…。

 また、紛争の中にいる子どもがどんなことを感じるか、親としてできる最善のことは何か。離婚する前に考えるべきことを教える「親教育プログラム」が日本でも必要だと訴える。

 離婚調停から見えた「夫婦の禁句」として「女(男)のくせに」「手伝ってあげようか」(特に、若い共働き夫婦の場合)など、14の具体例を提示。同時に「100点満点の夫婦を目指さない」など夫婦円満のこつにも紙幅を割いた。

 少年事件については環境、社会、心理などの「複合汚染」と捉え、非行少年たちは「この世の中に生きている感覚や存在感が希薄」と感じている。自らが担当した事案を紹介しながら、犯罪の誘いを受けたときに断ることができた理由は「大事にしたいと思う人がいるかどうか」と強調する。

 山崎さんは「家裁調査官がどんな仕事をしているかもっと知ってもらいたい。私たちが面接などで気持ちを引き出す工夫は、実際の家族関係にも生かせるはず」と話している。

 A5判。162ページ。1944円。木星舎=092(833)7140。

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