両親の愛情が子どもの健全な成長に不可欠であるとの認識のもと、子どもの連れ去り別居、その後の引き離しによる親子の断絶を防止し、子の最善の利益が実現される法制度の構築を目指します

平成25年2月8日、AFP通信

日本:子どもを奪われた外国人および日本人の父親たちの悲劇

世間の注目を集めることもなく、静かに悲劇が起こっている。ここ数年で3人のフランス人男性が、数ヵ月の間をおいて日本で自ら命を絶ったのである。日本人の元妻によって、子どもと完全に引き離されてしまったことが原因で。
G8加盟国で唯一、国際的な子の奪取に関するハーグ条約を批准していない日本は、ここにきて遂に批准の動きを見せている。外交筋によれば、現在の国会会期中に批准が可決される見込みである。
今週金曜にワシントンでオバマ大統領との日米首脳会談を予定している日本の安倍首相は、手土産として同条約の批准を約束する意向のようである。日本に対して批准を求める声は、アメリカのみならずフランスやカナダを含む多くの国からここ数年来強まっている。
現在、アメリカでは日本との間で子どもの連れ去りが約100件発生しており、カナダは39件、フランスも33件を抱えている。日本政府に圧力をかけるため最近東京を訪れたフランスのリシャール・ユン上院議員はAFP通信の取材に対して「これ以外にも届け出られていないケースが水面下に隠れています」と語っている。
この問題に熱心に取り組んでいるユン議員は、日本で外務副大臣に面会したが、法務大臣には面会を拒否された。
専門家によれば、現在、日本の裁判官らは「子を連れ去った親に子どもの写真を年に3枚送ること」あるいは「月に2時間だけの面会」を命じるのがせいぜいであるという。
離婚後は単独親権となり共同親権が存在しない日本においては、数万人の日本人男性もこうした状況に日々苦しんでいる。直接関係しないとはいえ、彼らはハーグ条約の批准によって事態が改善することを期待している。日本では離婚後に母親が子どもを引き取るケースが9割に達し、父親はほとんど、または全く子どもに会えなくなる。
日本の裁判官らは、これを至極当然のことであると考えている。
子どもを育てる役割は母親で、父親はただ「生活費を稼ぐだけの役割」でしかないという理屈だ。
リシャール・ユン議員は、日本における結婚とは何より「生活手段の共有」を意味しているのだと捉えている。
日本では外国人に対しても日本人に対しても、面会交流は決して守られない。たとえ裁判で認められていてもだ。母親が拒否した場合には警察が介入しないからだ、とある外国領事は主張する。
「東日本大震災(2011年3月)の後、娘に会おうとしたら妻は警察を呼んだのです」と語るのは、国家公務員で現在ある地方都市の副市長を務める渡邉泰之氏だ。
現在5歳になる娘のマリさんと2年前から一度も会えていない渡邉氏は、自分の事例をメディアに公表し、父と子を合わせると年間20万人を超えるという日本人“被害者”のために戦うことを決意した。
日本在住31年になるミカエル(仮名)は、2人の孫に一度も会ったことがない。結婚して3人の子をもうけたが、結婚生活は11年で破たんした。以来、彼は戦い続けている。
ハーグ条約の批准が視野に入ってきたとはいえ、批准後に日本の国内法に置き換えられる際に内容が変えられることを危惧する声もある。SOSペアレンツ・ジャパンのリシャール・デルリュー会長もその一人だ。
同会長は、日本政府が批准にあたって提案する修正案について“狡猾だ”と語る。「日本のような大国の振る舞いとしてはふさわしくありません」
ユン上院議員も、批准を望む一方で、条約が“骨抜きにされる”ことを憂慮しており、監視態勢を続けている。
「私たちの唯一の武器は、世論です」

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