両親の愛情が子どもの健全な成長に不可欠であるとの認識のもと、子どもの連れ去り別居、その後の引き離しによる親子の断絶を防止し、子の最善の利益が実現される法制度の構築を目指します

令和5年10月6日、毎日新聞2

我が子に会えず、この国に絶望 違法認定も「連れ去り勝ち」の現実

 他方の親の同意を得ない「子の連れ去り」が社会問題化している。母親による子連れ別居はよくあることとして受け止められてきたが、子の身の回りの世話をしていることが離婚後の親権争いで有利に働くと広く知られるようになり、近年は父親による子の切り離しも顕在化している。「連れ去り勝ち」とも言われる、家族間紛争の実態に迫った。

 「子どものことを思い出さない日は一日たりともありません」。神奈川県の女性(40)は小学校低学年だった長男と幼児の次男=当時=を夫に連れ去られた。もう4年、会えていない。

 大学の先輩だった夫と2009年に結婚し、程なく長男を妊娠した。その頃から家庭内暴力(DV)が始まり、殴る蹴るの暴行を受けた。「稼げないお前は寄生虫だ」「ろくでもない人間に子どものしつけはできない」――と毎日のように人格を否定された。

 次男が生まれ、長男の小学校入学が間近になると、DVは激しさを増した。アイロン台でたたかれたことをきっかけに、母子でシェルター(一時保護施設)に避難したこともあるが、「自分が家族を壊すわけにはいかない」と思い直し、自宅に戻った。

夫は「子どもは連れ去ったもん勝ち」

 夫の変化に期待していた。だが、家庭にはそれまでとは違う不穏な空気が流れた。「母さんはおかしいから、あっちで遊ぼう」。夫は、子どもを巻き込んで嫌がらせをするようになった。「子どもは連れ去ったもん勝ちだ」と繰り返し、自宅には堂々と「男の離婚」というハウツー本を置いた。女性は19年7月、離婚を切り出した。

 直後のことだ。夫は、中国地方にある自身の実家に子どもを連れて帰ると言い、長男を飛行機に乗せた。1週間後、今度は嫌がる次男を強引に車に押し込み、追いすがった女性を突き飛ばして家を出た。女性が夫の実家を訪れると、夫側から「殴られたのは夫を立てないからだ。子どもは諦めろ」と告げられた。

 女性は裁判所に救済を求めた。高裁は21年12月の決定で、離婚後の親権争いが現実問題となる中で、夫が強行した子連れ帰省について「連れ去り、またはそれに準じる違法な態様によって子の監護を開始した。違法性の程度は高い」と認定。子ども2人を女性に引き渡すよう夫に命じた。決定は後に確定した。

※以下、本文参照。

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