両親の愛情が子どもの健全な成長に不可欠であるとの認識のもと、子どもの連れ去り別居、その後の引き離しによる親子の断絶を防止し、子の最善の利益が実現される法制度の構築を目指します

令和4年11月15日、毎日新聞

離婚後の共同親権、法制審部会が中間試案 単独親権の維持も併記

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 家族法制の見直しを議論している法制審議会(法相の諮問機関)の部会は15日、離婚した父母の双方が親権を持つ「離婚後の共同親権」の導入を盛り込んだ民法改正の中間試案を取りまとめた。現行制度の単独親権を維持する案も併記した。部会は、12月開始予定のパブリックコメント(意見公募)の結果を踏まえ、詰めの議論に移る。

 民法上の親権は、未成年の子に対して親が持つ権利と義務を指し、子の身の回りの世話をする「身上監護」と、子の財産を管理し子に代わって法律行為をする「財産管理・法定代理」からなる。現行制度は、婚姻中は共同親権、離婚後はどちらか一方の親による単独親権と定める。

 今回の試案はまず制度の枠組みとして、離婚後に共同親権を選択することについて、原則とする▽例外とする▽個別事案に即して決める――の3パターンを提示。その上で共同親権を行使する範囲に関し、婚姻中と同様に子に関する全事項について共同で行使する▽父母のいずれか一方を「監護者」と定め、親権のうち身上監護に関する事項については単独で決める――といった選択肢を提案した。

 一方で、父母が激しく対立したり家庭内暴力(DV)や虐待で力関係に差があったりするケースでは、離婚後の共同親権は難しいとの意見も踏まえ、部会は、現行通り単独親権しか認めない案も併記した。

養育の取り決め義務付け案も

 試案は親権以外のテーマについても見直し案を示した。日本では、子への養育費の支払いや別居親と子の面会のルールを決めないまま父母が離婚に至るケースが多く、一人親家庭の貧困や親子の断絶を招いているとの指摘がある。

 このため試案は、父母の話し合いだけで決める「協議離婚」をする際に、離婚後の子の養育について学ぶ講座を受けることや、子の養育に関して取り決めをすることを義務付ける案も提示。養育費の額を決められなかった場合に同居親側に一定額の養育費の請求権が発生する「法定養育費制度」や、家裁が別居親と子の暫定的な交流を命じられる手続きの創設も盛り込んだ。

 部会は2021年3月に議論を開始。今年8月に中間試案を取りまとめる予定だったが、部会内外から「案が分かりづらい」と指摘があり、先送りしていた。【山本将克】

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