両親の愛情が子どもの健全な成長に不可欠であるとの認識のもと、子どもの連れ去り別居、その後の引き離しによる親子の断絶を防止し、子の最善の利益が実現される法制度の構築を目指します

平成29年1月28日、NHK

離婚後の親子関係を考えるシンポジウム 東京

夫婦が離婚したあとの子どもの支援について考えるシンポジウムが東京都内で開かれ、離婚や別居で離れて暮らす親子の「面会交流」をめぐり、子どもと別居する親と同居する親、それぞれの立場から当事者が意見を交わしました。
このシンポジウムは、離婚後の子どもの支援に取り組む研究者などのグループが主催したもので、およそ120人が参加し、離婚などで別れて暮らす親子の「面会交流」について当事者などが意見を交わしました。

この中で、子どもと別居している親の立場からは「親子断絶防止法全国連絡会」の寺前忠さんが「別居する親が養育に関われば、一人で子育てしている親にもゆとりが生じ、子どもの幸せにつながる」と双方の親が子育てに関わることの重要性を訴えました。

そのうえで、子どもに会いたくても会えないケースが少なくない現状について「一方の親が何も言わずに家を出て子どもとの面会まで断絶しようとする『連れ去り』を防ぐための新たなルールが必要だ」と主張しました。

これに対し、子どもと同居する親の立場からNPO法人「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」の赤石千衣子さんが「別れて暮らす親子の関係が平和に保てることは望ましいし、親を知りたいという子どもの気持ちの面でも重要だ」と述べて、面会交流の意義を認めつつも、「離婚した当初は仕事探しなどで気持ちに余裕がないことも多く、面会を求められても難しいのが実情だ。子どもが安心して別れた親とも関係を築いていけるような支援体制を充実させてほしい」と訴えました。

専門家「子どもの利益を最優先に」

家族法が専門で今回のシンポジウムを主催した早稲田大学法学学術院の棚村政行教授は「離婚も増え、家族は多様化しているが、総合的に子どもの養育を応援するという体制は十分整っていない」としたうえで、子どもの利益を最優先に考えた法整備などを検討するべきだと指摘します。
棚村教授は「どうしても大人どうしの意見の対立になりがちだが、子どもの幸せを第一に知恵もお金もパワーも集中させる議論が必要だ。面会交流だけでなく、養育費や子育て全般などさまざまな面から支援が必要な人が多い。家庭のことだから自分たちでやりなさいということではなく、国や自治体など関係する機関が積極的に関わり、当事者や子どもの支援をする枠組みを社会全体で考えていきたい」と話しています。

超党派の国会議員が法案の準備

面会交流をめぐっては、超党派の国会議員が、別れて暮らす親と子が定期的に会い親子関係を維持することを促す法案の準備を進めています。

現在検討されている法案では、夫婦が離婚する際には、別れて暮らす親と子どもの面会交流や養育費の分担について、あらかじめ書面での取り決めをすることや、面会交流を定期的に安定して行い、面会が行われていない場合は、早期に実現されるように努めること、国や自治体は、定期的な面会についての相談や支援を充実させることなどが、盛り込まれています。

一方で、子どもに対する虐待や元の配偶者に対する暴力などの事情がある場合には、面会交流をさせないことを含めて、実施の場所や頻度など特別な配慮をするとしているほか、定期的な面会交流については、年齢や成長の発達に応じて子どもが自分の意思を表明する機会を確保するとされています。
超党派の国会議員はこの法案を今の通常国会に提出することを目指しています。

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