平成28年2月13日、静岡新聞
「面会交流」の議論期待
離婚で親権を失った親子の面会交流が進まない問題を取り上げた連載「わが子に会いたい」を担当しました。 きっかけは、ある父親からのメールでした。初めて会った時、「妻に暴力を受けた末、子も連れて行かれ、会えない」と泣いていました。半年後、父親は弁護士の尽力で久々に子と面会を果たしました。「母親は会わせたくなかっただろうなぁ」と思いつつ写真を見ましたが、子どもの満面の笑みは、父への思慕をはっきりと物語っていました。
社会問題とはいえ、つぶさに見れば個々に事情が異なる家庭問題でもあります。画一的な「あるべき論」を取り払って取材を重ね「離婚後、子どもが希望していても親子の絆が絶たれる現状はおかしい」、これだけは言えると感じました。愛情を注ぐ人の多さを子が実感できる方がいいと率直に思えたことと、同居した母方で虐待を受けた子を、交流していた父が助けた事例を取材したことが大きかったです。
両親が、一つしかない親権をめぐる対立の末に離婚し、自己判断での面会交流を強いられています。会えない上、法的限界がある離別親は言うまでもありませんが、同居親も、一人で考え、行動することはすごく苦しいと思います。閉ざされた家庭の問題とせず、2人の親と子のそれぞれに何が必要か、社会的な議論が高まっていくよう期待します。
(大須賀伸江)
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