両親の愛情が子どもの健全な成長に不可欠であるとの認識のもと、子どもの連れ去り別居、その後の引き離しによる親子の断絶を防止し、子の最善の利益が実現される法制度の構築を目指します

平成27年10月20日、西日本新聞

勉強会 心の居場所に 大分の教諭 宮原さん 親と離別の子支援

 親の離婚や別居を経験した子どもを中心に、小中学生の学習面などを支援している小学校教諭がいる。大分県別府市の宮原朋子さん(46)。教師として、親として。二つの立場の経験から「心の居場所を作りたい」と、同市内の交流センターで勉強を教えながら、子どもたちと向き合っている。 (床次直子)

 金曜の夕方、同市の野口ふれあい交流センター。10人ほどの小学生たちが机の上で学校の宿題に取り組んでいる。宮原さんは分からないところを教えたり、話し相手になったりする。学校現場で、家庭の事情から朝食を食べてこられない子を見てきた経験から、軽食作りも月1回教えている。

 軽食作りで食パンを焼いている途中、小学4年の男の子が宮原さんに話し掛けてきた。

 「お母さんがなあ、今日から出張で3日いないんや」。宮原さんが「そうなの。ご飯はどうするの?」と聞くと、男の子は「お金もらっちょるけん、大丈夫」とつぶやいた。宮原さんは「そうなんや…」と言った後、余った食パンを持たせて帰らせていた。

 「楽習会(がくしゅうかい)」と題したこの会は週1回、放課後から午後7時半ごろまで開催している。今は地域の小中学生14人が通う。会は基本的に無料。

 楽習会の開催には、宮原さん自身の経験も影響している。宮原さんは6年前に離婚後、さまざまな事情で自身の子どもに会えなくなった。自分の子どもと同じような、親が離婚や別居をした子どもの心に敏感になったという。

 教師として子どもと接していて、情緒が不安定だったり、離席が目立ったり、友達に手を出したりする子の話を聞くと、背景に親の離婚や別居、大人同士の争いがあることが多く、傷ついている子が少なくないことにあらためて気付いた。

 「子どもは家庭の事情を自分の心では整理しきれず、混乱してしまっているのでは」。何かできることを、と考えた末に「弱音を吐ける場所になれば」と、宿題をしながら気軽に話してコミュニケーションを取れるこの会を昨秋から始めた。

 「子どもは自分の気持ちを上手に言葉にできない。ここで、心の重しを少しでも取って軽くできたらいい」と宮原さん。子どもたちと笑って話すその表情は、柔らかかった。

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