両親の愛情が子どもの健全な成長に不可欠であるとの認識のもと、子どもの連れ去り別居、その後の引き離しによる親子の断絶を防止し、子の最善の利益が実現される法制度の構築を目指します

平成26年10月3日、毎日新聞

ハーグ条約加盟半年:新たに2組の夫婦の子が日本に戻る

◇外務省予想外の日本人夫婦のケースも

 国境を越えて連れ去られた子の扱いを取り決めたハーグ条約に基づき、7月の初めての返還命令に続いて、新たに2組の夫婦の子が海外から日本に戻されたことが、外務省への取材で分かった。初適用は日本人夫婦だったが、今回の2組のうちの1組も日本人夫婦だった。日本人夫婦が援助を求めるケースは全体の1割を超えており、当初想定されていた国際結婚が破綻した夫婦のケース以外にも利用が広がっている。

 今年4月に条約が日本で発効してから先月末までの半年で、子の扱いを巡る外務省への援助申請は73件。日本在住の親から海外の親への申請は、返還8件、面会13件。海外在住の親から日本の親への申請のほうが多く、返還9件、面会43件だった。国際結婚が破綻した例が大半だが、9件は日本人夫婦だった。

 条約は7月に日本人に初適用され、英国にいた子が日本に戻された。その後新たに、日本人夫婦の子が米国から、米国人父と日本人母の子がスイスから、それぞれ日本に戻された。海外の親と子が、テレビ電話で面会できたケースも1件あった。

 また、海外の親が日本にいる子との面会を求めて先月、日本の家裁に初めて審判を申し立てた。当初は裁判によらない友好的な解決が図られたが、不調に終わったという。

 外務省の担当者は「条約発効後、不法に海外から日本へ子が連れ出されるケースが減っており、抑止効果も認められる」と話している。【伊藤一郎】

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