両親の愛情が子どもの健全な成長に不可欠であるとの認識のもと、子どもの連れ去り別居、その後の引き離しによる親子の断絶を防止し、子の最善の利益が実現される法制度の構築を目指します

令和6年1月30日、日本経済新聞

離婚後の共同親権導入、要綱案了承 77年ぶり改正へ

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法制審議会(法相の諮問機関)の部会は30日、離婚後の共同親権導入を柱とする民法改正の要綱案をとりまとめた。政府は要綱案を基に今国会に法案を提出する見通しだ。成立すれば離婚後の親権に関する家族法制の改正は77年ぶりとなる。

要綱案は子の利益を基準に仕組みを整えた。親権について協議離婚の場合は父母の協議で双方または一方と定める。現在は離婚後は単独親権しか認めていない。
協議で決まらない場合は子の利益や父母関係、親子関係などを考慮し裁判所が判断する。配偶者へのドメスティックバイオレンス(DV)や子への虐待のおそれが認められ、父母で共同で親権を行使できないなどの場合は例外で裁判所が単独親権と決める。
離婚後に共同親権になった場合も、子どもの緊急の手術や入学手続きといった「子の利益のために急迫の事情があるとき」のほか、子の監護や教育に関わる日常の行為は単独で親権を行使することができる。
日本は協議離婚が9割ほどを占める。裁判所の関与が今後増えることが見込まれる。30日の部会は裁判所での適正な審理や離婚後の子どもの養育への支援のありかたの検討などを求める付帯決議もまとめた。
要綱案は親権以外に養育費や親子交流に関しても定めた。子の最低限度の生活の維持に必要な養育費を請求できる「法定養育費」の制度の導入を規定した。
裁判所が親子交流の試行的な実施を促すことができ、子の利益のために特に必要な場合は父母以外の親族との交流の実施を定めることも可能だ。
厚生労働省の調査によると、母子世帯の中で「現在も養育費を受けている」「現在も面会交流を行っている」と答えたのはそれぞれ3割ほどにとどまる。
制度見直しの背景には共働きの家庭の増加や男性の育児休業の取得率の向上といった社会情勢の変化がある。父母が共同で子育てをする機会が増加し、子と親の結びつきが強まっている。内閣府によると日本の離婚件数は年間20万件弱で、そのうち6割ほどの離婚夫婦に未成年の子がいる。
グローバル化の進展も制度見直しの議論の契機となった。国境を越えた子の連れ去りを防ぐハーグ条約が14年に日本で発効した。単独親権のみしか認めない現民法は同条約違反との指摘もある。
19年には親権がなく子に会えない父母らが離婚後の単独親権は違憲だと国を提訴した。
主要国では米国、英国、フランスなどが共同親権を導入している。単独親権のみを認めるのはインドやトルコなど少数だ。
立命館大の二宮周平名誉教授(家族法)は要綱案について「(協議離婚で)単独親権と共同親権の両方を選べるという意味で評価している」と話す。
養育費や親子交流の規定に関して「欧米のように国が養育費を立て替えたり、徴収して権利者に渡したりする仕組みや、親子交流は子どもの権利であると定める規定も盛り込むべきだ」と指摘する。

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