両親の愛情が子どもの健全な成長に不可欠であるとの認識のもと、子どもの連れ去り別居、その後の引き離しによる親子の断絶を防止し、子の最善の利益が実現される法制度の構築を目指します

令和3年1月15日、毎日新聞

上川法相、養育費不払い問題で民法改正を法制審に諮問へ

 上川陽子法相は15日、父母の離婚に伴う子の養育の在り方に関する法制度の見直しを2月の法制審議会(法相の諮問機関)に諮問することを明らかにした。子と別居する親による養育費の不払いを解消したり、離婚時の取り決めを促したりするための民法改正などが論点となる見込みだ。

 民法は、離婚時に養育費や別居する親子の面会交流などを父母の合意で取り決めると規定。ただし強制力はなく、2016年の厚生労働省の調査によると、養育費の取り決めをしたひとり親世帯は、母子世帯で42・9%、父子世帯で20・8%にとどまる。不払いも横行し、約140万のひとり親世帯のほぼ半数が、相対的貧困状態とされる。

 法務省の有識者会議が20年12月にとりまとめた報告書は、養育費に関して民法に請求権を規定するなど、子の権利として明確化することの検討を求めた。離婚届と合わせて養育費の取り決めを届け出れば、メリットとして取り決めに執行力を付与する制度や、強制執行手続きの負担を軽減する措置も検討項目に挙げられており、法制審は議論の参考とする。離婚後も父母双方が養育に関わる共同親権を導入するかどうかなど、親権や監護権の在り方も論点となる見通し。

 日本は結婚している間は共同親権で、離婚すると父母いずれかを親権者とする単独親権になるが、欧米では離婚後も共同親権を認める国が多く、日本での導入を求める声がある。一方、ドメスティックバイオレンス(DV)や児童虐待が理由で離婚した当事者には導入に慎重意見が根強く、専門家の間でも意見が割れている。法制審は、離婚制度全般の見直しなどさまざまな観点を踏まえて検討するとみられる。

 上川法相は閣議後の記者会見で「養育費の不払いや親子交流の断絶といった父母の離婚に伴う深刻な影響が指摘され、女性の社会進出、父親の育児関与の高まりなど養育の在り方も多様化している。子の最善の利益を図る観点から、離婚に関する課題を幅広く検討すべき段階だ」と述べた。【村上尊一】

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