令和2年5月21日、関西テレビ
月に一度、会える機会も失われ…別居の親子の苦難 感染拡大の思わぬ余波
新型コロナウイルスの感染拡大の影で、事情があって別居する親子が苦境に立たされています。
子どもに会えなくなってしまった父親を取材しました。
――Q:会いたくなりますよね
【松尾高博さん(43)】
「もちろん、会いたいですよ」
滋賀県に住む松尾高博さん(43)。
2年前に家を出ていった妻とは親権を争っています。6歳の娘と4歳の息子に会えるのは月1回2時間のみ。家庭裁判所が許したわずかな面会時間です。
しかし…
【松尾高博さん(43)】
「どうしてそんな簡単に子どもと会う約束、大切な時間を諦めてしまうのかと思って。子どもの成長って、幼いので早い。1日1日が大切な時間」
今年3月、裁判所に面会場所として指定されていた支援団体が新型コロナウイルスの影響で活動を停止。
妻からは団体を通じて「面会は遠慮してほしい」とだけ告げられ、その後子どもたちと会える見込みは立っていません。
【松尾高博さん(43)】
「子供がコロナに感染するかもしれないから危険だから、子どものことを考えたら会わない方がいいんじゃないかというような、それが当たり前という考え方が怖い」
民間団体の調査では、別居する子どもと会えなくなったり交流が減ったりした親は全体の約8割にのぼり、85%の親がこの状況が続く場合、子どもとの断絶が進む懸念があるといいます。
この事態を受け、法務省はビデオ通話などを活用するよう呼び掛けていますが、家族法に詳しい専門家は離婚と親子の問題を根本から見直す必要性を訴えます。
【立命館大学法学部二宮周平教授】
「交流が途絶えてしまうとなると、親子関係にマイナスの影響がとても大きい。これまで面会交流を支えるいろんな仕組みを作ってこなかった問題点が一挙に突き出してきてる。対処療法は現状ではとても無理。基本的なことを法務省や裁判所は考えてほしい」
【松尾高博さん(43)】
「これをきっかけに、根本的な問題について、フォーカスされるといいと思う」
別居する親と子が抱える苦悩。
夫婦間の葛藤と親子の問題を切り分けて考えることが求められます。
関西テレビ
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