両親の愛情が子どもの健全な成長に不可欠であるとの認識のもと、子どもの連れ去り別居、その後の引き離しによる親子の断絶を防止し、子の最善の利益が実現される法制度の構築を目指します

令和2年1月5日、BLOGOS

社会の「絶対的断絶」に泣けてくる~NPO代表や離婚弁護士や

■ 小さな我が子とともに微笑む
某有名NPO代表が小さな我が子とともに微笑む写真がある。その写真を中心として、「貧困支援」の意味についてその代表はエッセイを綴る。
自分の子どもは幸いにも、(自分たちという)両親が揃い2人とも働いており(ということはそこそこの収入もあり)住居も確保できている。
それに比べて、現代の貧困世帯の子どもには、これらが揃っていないことも珍しくない。だからこそ、子どもたちを支援しなければいけない。
その代表が言う「支援」の中身は、当欄でも僕が指摘した、袋菓子やレトルト食品だったりする(「ジャンク支援」~貧困層の主食のお菓子を「宅食」する意味)。それらは僕が書いたように、貧困世帯とは親和性がある。そうした袋菓子を子どもたちは日常的に食べ、カップ麺やレトルト食品を日々食べている。
貧困のリアルな食生活とはそんなものだ。
そうした袋菓子やレトルト食品が箱一杯に詰まった「食糧提供支援」を、収入も家もそれなりに揃うその代表の団体が行なう。代表は、赤ちゃんの我が子を抱きしめ、日本の貧困問題について怒り、問題提起する。

■ 当事者たちは、「違う」と明言しないままひっそりとその場を退場する
その代表の行ない自体、なんら悪くない。日本のソーシャルセクターをここ15年引っ張ってきた自負もあるだろうし、それだけの実績ももつ。
けれども、我が子を抱きしめた写真を顔出しで公開し、我が子は満たされているが満たされていない子どもたちがたくさんがおり、自分はそれら満たされていない子どもたちのために支援をしたいと意思表明するその文章や顔写真自体に拒否反応を示す人々がいる。
なんとなく「違うだろ?」と人々は拒否するのだ。そしてその中でも、「当事者」と呼ぶしかない貧困世帯当事者たちは、違うと明言しないままひっそりとその場を退場していく。
またたとえば、「連れ去り離婚」を手助けするいわゆる「離婚弁護士」のなかには、自分の子どもが習い事などに通う写真を意気揚々とSNSに掲げる人がいる。
そんな写真を見て、我が子を連れ去られた「別居親」たちは、複雑な感情を抱く。
Twitterにはこんな叫びが満ち溢れる。
『時々、親子引き離しで有名な弁護士先生が自身の子どもの発表会(ピアノ等)の様子を楽しげにSNSで書いていたりします。悔しくて、悔しくて。涙が出ました。』

この「悔しくて悔しくて」に、僕は打たれる。自分たちは子を連れ去られ、多くても月に2時間程度しか子どもと「面会」できない。その苦難さを打開するために、「共同親権」の確立に向けて動いている。
その一方で、連れ去りのベースにある「単独親権」に乗り、その仕組みの中で弁護し収入を得、子どもとの習い事の写真をSNSに投稿する弁護士がいる。
なんという落差だろう。

■ 自分の体臭が自分では嗅ぎとれないように
話はNPOに戻るが、いまだ「起業」をすすめるNPO代表がいる。自分たちの「夢」を起業することで叶えようというわけだが、現実の起業のほとんどは失敗する。
また、そんな競争の中でもたまたま生き残ったNPOに就職しそのNPO内で出世したいと夢見る学生もいる。
が、NPO内の20代スタッフの年収は概ね低く(社会保険等を合わせた総額でも250万程度)、30代からの昇給カーブも緩いところも珍しくはない。
起業は困難であり、年収も低い。つまりは「やりがい搾取」の代表が現在のNPOなわけだが、起業をすすめる代表たちは決してそうした事実は語らない。あくまでも、「夢」を語る。
これらは一部の例であり、また本当に社会の役に立っている場合もあるだろう。
けれども、何か「断絶」してしまっている。生活保護や困窮層の子どもや若者、子を連れ去られた孤独な別居親が毎日感じているその感覚とは何かが決定的に引き離れズレまくっている。
そのズレは、社会の困った人たちからのニーズに「本気で」答えようとしているそうした偽善的な人々には感じることができない。また、自分たちの振る舞いや考え方から「当事者たち」が逃げていくことの意味もよくわからないのかもしれない。
階級社会や単独親権社会の「勝ち組」サイドからものごとを見て判断して行動するとはそういうことかもしれない。
ここではたまたまTwitterなどで目についた代表や弁護士を例にとったが、こうした勝ち組、マジョリティが無意識的に醸し出すその立ち振る舞いは、勝った者にはわからないのかもしれない。自分の体臭が自分では嗅ぎとれないように。
そこには「絶対的断絶」がある。僕は朝っぱらからTwitterを見てこの断絶を叩きつけられ、不覚にもうっすらと泣いてしまった。

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