両親の愛情が子どもの健全な成長に不可欠であるとの認識のもと、子どもの連れ去り別居、その後の引き離しによる親子の断絶を防止し、子の最善の利益が実現される法制度の構築を目指します

令和4年9月27日、日本経済新聞

共同親権、分担養育の仕組みを

臨床心理士・公認心理師 宮崎保成

9月2日の本欄に掲載された投稿「離婚後の『共同親権』導入を」を読んだ。親であっても我が子に会えない、成長に関われず見守ることもできないことがどれほどつらいか。現行法では離婚後に父母のどちらか一方が親権者になるが、離婚後も共同親権となり、我が子と交流できることを期待するのは親として当然であろう。

ただ、離婚後共同親権になれば子どもと交流できるようになるのだろうか。ここで考えてほしいのは、現行法でも婚姻中は共同親権ということである。離婚まで父母が別居をして、子どもがどちらか一方の親と同居していても、法的には共同親権である。しかし法的に共同親権でも、別居親は子どもと十分交流できるとは言い難い。

同居親が子どもと別居親との交流に寛容であれば、親権の有無に関係なく交流ができるが、そうでない場合、親権の有無に関係なく裁判所に面会交流の調停や審判を申し立て、合意や決定がされるまで我が子に全く会えないことも珍しくない。そして裁判所の面会交流に関する決定(頻度や交流時間)は、別居状態であっても離婚後であっても差異はない。つまり裁判所の面会交流に関する決定に親権の有無は関係ないのである。

今は「離婚後単独親権」とされるが、実質的には「別居後単独親権」になっている。だから子どもと別居すると、共同親権であっても実際に行使できる親権はほとんどない。仮に今後、離婚後共同親権になったとして、それが婚姻中別居状態と同じような共同親権だとしたら、子どもとの交流を含めて実質的な改善は期待できない。

ではどうすべきか。子どもの情報(居住地や学校の様子など)を知る権利の規定、面会交流の基準となるガイドラインの作成、子どもの日常の世話に責任を持つ監護権については米ケンタッキー州のような共同監護制度(裁判官は原則、父母の平等な育児時間が子どもにとって最善と推定)の導入といったことを検討すべきだ。

海外の研究では離婚後も別居親が少なくとも35%の育児時間を分担すると、子どもの健康度や成績が良いとの結果も出ている。漠然と離婚後共同親権に期待するのではなく、実質的な具体的改善がある法改正が望まれる。

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