両親の愛情が子どもの健全な成長に不可欠であるとの認識のもと、子どもの連れ去り別居、その後の引き離しによる親子の断絶を防止し、子の最善の利益が実現される法制度の構築を目指します

平成28年10月1日、弁護士ドットコム

離婚する人に自治体窓口で「養育手引書」配布スタート「離婚前の取り決めが大切」

 両親が離婚した後、子どもたちが健やかに育つために、養育費や面会交流の制度があります。しかし、日本では離婚する際に、養育方針を決めることは義務ではありません。そのため、離婚後に「養育費をもらえない」「子どもと会わせてもらえない」などのトラブルが起こりやすくなっています。

 そこで法務省は、養育費や面会交流について離婚時に合意するよう促すため、養育の手引きパンフレットを作成。10月1日から順次、離婚届を取りに来た人に、全国の自治体窓口で配布していきます。

 10月1日から配布が始まる「子どもの養育に関する合意書作成の手引きとQ&A」(全16ページ)では、養育費、面会交流の目的や取り決め方法について、詳細に解説。また、よく寄せられる相談のQ&Aも掲載されています。

 ・「養育費の取り決めはどのようにしたらよいのですか」

 ・「金額はどのように決めればよいのですか」

 ・「面会交流に応じなければならないのですか」

 また、「子どもの養育に関する合意書」のひな形が掲載されているのも、パンフレットのポイントです。合意書には、親の氏名、住所、勤務先、親権者のほか、決めておきたいこととして次のような項目があげられています。

 ・養育費(支払い期間、金額、支払い時期、振込先)

 ・面会交流(宿泊の有無、面会の頻度)

 パンフレットを作成した法務省によれば、「離婚する際に、養育費や面会交流の取り決めをすることが重要であることを知ってほしい。どのような形式で合意すれば良いか知らない方も多いので、ひな型の記入例もあわせてご覧いただきたい」とのこと。

 日本では、離婚するカップルの内、約9割が話し合いで離婚する「協議離婚」です。弁護士を介さずに離婚することも多いため、どのように養育費や面会交流について合意すれば良いか知らない方も多かったかもしれません。しかし、離婚後も子どもが健やかに育つよう、離婚を決めたら、養育について合意書をしっかりと作成する必要があります。

※パンフレット等の詳細は、法務省の取組を参照ください。

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