平成26年10月2日、読売新聞
ハーグ条約で米人父に子の返還命令…外務省通じ
米国人の夫に子供をスイスに連れ去られたとして、日本人の母親が外務省を通じてスイス側に男児(8)の返還を求め、9月下旬にスイスの裁判所が返還命令を出していたことが分かった。
4月に国内で発効したハーグ条約に基づき、同省を通じて子供の返還の支援を申請したケースは17件に上っているが、返還命令は初めて。男児はすでに帰国している。
国際結婚の破綻などによる子供の奪い合いを解決するための同条約は、親のどちらかが16歳未満の子を無断で国外に連れ去った場合、原則として元の居住国に戻すよう定めている。今回問題となったのは、米国人の父親と日本人の母親のケースで、一家は日本で生活していたが、条約が発効した4月以降、父親が男児を連れてスイスへ渡った。
8月、母親は条約に基づいて外務省に男児の返還の援助を申請し、同省はスイスの中央当局に支援を依頼。スイス側が男児の居場所を特定し、母親による裁判手続きを支援した結果、同国の裁判所は男児を日本に帰国させるよう命じた。