寄稿SeasonⅢ④
Season Ⅲ ④しばはし聡子さん(共同養育コンサルタント)
しばはし聡子さん(共同養育コンサルタント)
聞き手・Masaくん(気弱なジャーナリスト)
Masa 2017年に一般社団法人りむすびを設立し、代表として共同養育の実践に向けた相談、面会交流の支援、離婚協議サポートのほか講演や執筆とお忙しそうですね。
しばはし 子どもは両親の別居・離婚によって大きなダメージを受け、二人の争いによってさらにダメージを受けます。別れた後に親同士が歩み寄り、争わない共同養育が求められています。
Masa 離婚後、たった3割の子どもしか離れて暮らす親と会っていないという統計があります。なぜ会えていないのでしょうか?
しばはし 一つには、離婚すると独りで育てるのが当たり前だという社会の風潮があります。さらには夫婦関係と親子関係が絡み合ってしまう感情面の問題、単独親権を規定する法律の問題も。
子どもはそんな空気を読み、一緒に暮らす親の顔色をうかがい、別居親に会いたいという本心が言えなくなります。子どもの気持ちは同居親次第なのです。親同士の葛藤は避けるべきですし、相手側を悪者にするのは良くないことです。そこで夫婦カウンセリングが必要となってきます。
Masa 共同養育って一体どうすればいいのでしょうか?
しばはし 離婚しても子どもにとって親は二人、親子は変わらない、親同士の関係も続くという認識を持ち、両親が共に子育てに関わることです。
子どもが両親の顔色を見ずに素直な気持ちを発言できること、両親と自由に連絡できる環境づくりが大切です。
Masa 子どもにとって共同養育をするメリット、しないデメリットは?
しばはし メリットとしては父母の両方から愛情を受けられること、さまざまな経験が積めること、また何かあったときの逃げ場が増えることだと思います。逆に、しないデメリットとしては、自己肯定感・他者信頼感の低下による心の問題、不登校に陥ったり、いじめの対象となったりする危険性があります。
親にも、するメリット、しないデメリットが挙げられ、虐待や育児放棄、貧困といった深刻な社会問題ともつながっています。
子どもの親は二人なのだから、夫婦の感情と親子の関係を切り分けてくださいと呼び掛けています。国策として行政が動かないから、私たち民間が頑張らざるを得ないのです。
更新 2022-02-28 (月) 07:03:54
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