両親の愛情が子どもの健全な成長に不可欠であるとの認識のもと、子どもの連れ去り別居、その後の引き離しによる親子の断絶を防止し、子の最善の利益が実現される法制度の構築を目指します

令和2年3月12日、Yahoo!ニュース

”じぃじ”と”ばぁば”に会いたい!連れ去りに遭った孫と祖父母が会えなくなる日本の悲劇。

明智カイト 『NPO法人 市民アドボカシー連盟』代表理事

先日、事前に何の協議もなく妻によって5歳の息子を連れ去られる被害に遭った雷鳥風月さん(仮名・40代)の記事を書きました。
妻に子どもが連れ去られたら父親として認めない!?イクメン、男性育休を推進する日本社会の矛盾。(明智カイト)
日本では離婚すると単独親権のため片方の親が親権者となりますが、雷鳥風月さんの場合はまだ離婚が成立していないため、正確にはまだ親権者です。しかし、日本では「子どもを連れ去った側の親」の言いなりにならなければならない現実があります。
現在、雷鳥風月さんは離婚後共同親権の実現に取り組んでいます。最近の主な活動として街中でチラシを配布しているそうです。チラシには『”じぃじ”と”ばぁば”に会いたい!』と大きく書いてあるためか、街中で配ると高齢者が中心にチラシを受け取ってくれます。今回は、このチラシに込めた想いについて雷鳥風月さんにお聞きしました。

間接的面会交流って何?
間接的面会交流とは何らかの事情で、子どもと直接会う形での面会交流が認められない場合であっても、子どもと手紙のやり取りをしたり、誕生日等にプレゼントを贈ったり、監護親から定期的に写真等を送ってもらったりするなどの方法で子どもと交流をもつことです。
前回の記事でも雷鳥風月さんが子どもの誕生日にプレゼントを贈った話題について触れました。その後の調停で雷鳥風月さんは子どもとクリスマスの面会交流や、年末年始の宿泊面会交流をお願いしたのに却下されたといいます。結局、クリスマスのプレゼントは郵送のみ許可されています。
しかし、それでも雷鳥風月さんはまだ良いケースのようです。たとえば別居親から届けられた子どもへのプレゼントを同居親が受け取りを拒否して問答無用で捨ててしまったり、あるいは送り返すことがあるそうです。

両親の離婚で祖父母に会えない子どもたち
しかし、ここでも子どもを連れ去られた側の親には大きな壁が立ちはだかってきます。家庭裁判所の面会交流では祖父母が対象とされていません。そして、祖母にあたる雷鳥風月さんの母親もまた連れ去られた後はお孫さんと会えなくなりました。
子どもは祖母とはとても仲良しで「ばあちゃんに会いたい」と話しているそうです。しかし、お互いに会いたいと望んでいても今の日本では両者が会うことは叶わないのです。こうして祖母は唯一の孫と会えなくなったのです。
そしてこれは祖父母と孫だけの関係に留まりません。他の親族とも会えなくなってしまいます。たとえば祖父の13回忌、実兄の危篤や葬儀のときに別居している妻へどんなにお願いをしても、子どもに来てもらう事は叶いませんでした。
雷鳥風月さんには子どもが妻に連れ去られた後から祖母が急に老け込んでしまったように見えました。食事の量も減り、口数も減ってしまい、祖母に精神的負担を掛けてしまっている事を申し訳なく感じる日々を過ごしています。
「70歳を超えた母親にこんな思いをさせてしまっている事を心苦しく感じている、なんとか子ども(孫)と自由に会わせてあげたい。」と考えていましたが、母親から見れば雷鳥風月さんは昨年長男が亡くなり残された唯一の息子。その子どもが実の子どもに会えずに苦しんでいる姿を見る事も、それに対して自分が何も出来ないという事も母親をより苦しめてしまっているという事に今更ながら気付きました。
「現状、定期的に顔を出す事ぐらいしか出来ていない。なんとか親孝行をしたいという思いは募るが、子どもが自由に祖母に会える、別居親に自由に会える。この実現が唯一の親孝行」だと雷鳥風月さんは考えています。
そんな雷鳥風月さんの想いが通じたのか、祖母には孫の運動会を観る許可がでました。運動会中に子どもへ話し掛けることは「保育園の規則で出来ない」と言われたため、本当に観ているだけでしたが。
雷鳥風月さんは妻に対して子どもの事を最優先に考えて欲しいと願っています。たとえ夫婦が離婚をしてしまったとしても子どもの親である事には変わりがありません。子どもは両親から養育を受ける権利を持っています。子どもの事を考えお互いを尊重することができれば、みんながもっと幸せを感じる事が出来るはず。今のままでは誰も幸せになれません。
子どもが会いたいと希望しているにもかかわらず、別居親だけではなく親戚や祖父母にも会えないことは大人だけの都合で決められた話であり、それが子どもたちの犠牲の上に成り立っていることを私たちは忘れてはなりません。
離婚によって「親権」を奪い合うのは先進国で日本だけです。親権を失った側の祖父母には孫に会う法的な権利はありません。主要先進国では、離婚した夫婦が子どもたちに対して、お互いが保護者の責任を果たしていけるように「共同親権制度」を採用しています。
「離婚しても パパはパパ、ママはママ 」、子どもが大人のエゴに巻き込まれない様な親権制度が日本にも必要なのです。

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