両親の愛情が子どもの健全な成長に不可欠であるとの認識のもと、子どもの連れ去り別居、その後の引き離しによる親子の断絶を防止し、子の最善の利益が実現される法制度の構築を目指します

平成29年1月21日、毎日新聞

面会交流 面会拒否に1回100万円 東京家裁が間接強制

夫が長女連れ去り、妻の申し立て、東京家裁が決定
 別居している長女との月1回の面会交流が裁判で認められたのに、長女と同居する夫が応じないとして妻が1回の拒否につき100万円を支払うよう求める間接強制を申し立て、東京家裁がこれを請求通り認める決定を出していたことが分かった。面会交流拒否に対するものとしては異例の高額で、妻側の代理人弁護士は「画期的な決定」と評価した。これに対し、夫側は「常識外れだ」として東京高裁に抗告している。

 昨年10月4日付の家裁決定などによると、争っているのは離婚訴訟中の日本人の夫と外国籍の妻。夫は長女が7歳だった2011年に家を出た後、小学校から長女を連れ帰って転校させた。引っ越し先を妻に知らせておらず、妻が長女との面会を求めて家裁に審判を申し立てた。

 夫側は妻が長女の転校先を探して押しかけたなどと指摘して「娘が外国に連れ去られる恐れがある」と面会を拒んだものの、家裁は15年12月、月1回5時間面会させるよう決め、東京高裁も支持して確定した。しかし、夫は1回目の面会に応じず、妻が間接強制を申し立てた。
 間接強制の家裁決定で、棚橋哲夫裁判官は「夫は面会を認めない理由として既に退けられた主張を繰り返している。もはや任意で応じることは期待できず、間接強制で実現を図る必要がある」と判断。夫の収入なども参考に1回100万円とした。夫側はその後面会に応じ、妻と長女は5年ぶりに面会した。
 最高裁が13年に面会交流拒否に対する間接強制を認めた後、同様の司法判断が広がったが、額は拒否1回につき5万~10万円程度が多く、金を払ってでも面会を拒む親もいるという。妻側代理人の棚瀬孝雄弁護士は今回の決定について「『子供のために親と会わせるべきだ』と決めたのに、無視されたことに対して裁判所が毅然(きぜん)とした態度を示した。面会が実現し、子供の福祉にかなう判断だ」と述べた。
 ただ、専門家の間には金銭の力で面会を促す手法に懐疑的な声もある。夫側の代理人弁護士は「連れ去りへの恐怖から面会に応じられなかった。金額も常識外れで到底承服できない」としている。【伊藤直孝】

間接強制
 民事執行法に基づく強制執行の一種。判決や家裁審判などの取り決めを守らない当事者に対して、裁判所が「従わなければ金銭の支払いを命じる」との決定を出すことで心理的な圧力をかけ、自発的な履行を促す。

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