両親の愛情が子どもの健全な成長に不可欠であるとの認識のもと、子どもの連れ去り別居、その後の引き離しによる親子の断絶を防止し、子の最善の利益が実現される法制度の構築を目指します

平成28年5月13日、日本経済新聞

親権、面会多く認めた方に 家裁支部が異例の判決

 離婚する相手と子供との面会をより積極的に認めれば、親権を持てる――。そんな異例の判決が、離婚訴訟の当事者らに反響を広げている。日本では、子供が幼いと親権は同居している方の親に認められるケースが一般的で、子供と親権を持たない親との面会は合意が守られないことも多い。関係者は「離婚後、父母ともに子育てに関わることを重視した判断」としている。

 「娘が両親の愛情を受けて健全に成長するには、夫を親権者とするのが相当」。5年以上別居している夫婦が娘の親権を争った離婚訴訟の判決で、千葉家裁松戸支部は3月29日、妻のもとで暮らす小学生の娘を夫へ引き渡すよう命じた。

 判決によると、この夫婦は2009年ごろに関係が悪化し、10年に妻が無断で娘を連れて実家に戻った。夫と娘の面会は同年9月を最後に途絶えていた。

 夫は訴訟で、離婚した場合の面会についてまとめた「共同養育計画案」を示し、隔週末や祝日など「年間100日程度」の面会を妻に認めることを提案。夫が仕事で不在の間は、同居する夫の両親が娘を世話するとした。これに対し、妻は夫に「月1日」の面会を認めたうえで、「慣れ親しんだ環境から娘を引き離すのは福祉に反する」と主張した。

 庄司芳男裁判官は夫側の提案を「整った環境で周到に娘を監護する計画と意欲がある」と評価し、妻の主張を退けた。

 夫の代理人を務めた上野晃弁護士によると、面会を重視する側に子供との同居を認める司法判断は米国などでは珍しくないが、日本では極めて異例。妻は4月、判決を不服として東京高裁に控訴した。

 長女(3)を連れて家を出た妻との離婚訴訟を抱える東京都内の男性会社員(47)は松戸支部の判決を受け、妻に年間80日程度の面会を認めるとの書面を追加提出した。「大人の男女だから別れることもあり得る。それでも子供との関係が切れないよう歩み寄りたい」と語る。

 2014年に全国の家庭裁判所に申し立てられた面会をめぐる調停は約1万1千件で、10年前と比べて倍増した。離婚や面会をめぐる争いの増加が背景にある。

 12年施行の改正民法は離婚後の面会について「子の利益を最も優先して考慮しなければならない」とし、面会重視の方向性を示した。ただ、日本弁護士連合会の調査では、調停で合意した人の約4割が「全く面会できていない」と回答しており、面会の実現が課題。松戸支部の訴訟では、夫が「面会を実現できなければ親権者を妻に変更してもよい」と約束した。

 離婚訴訟に詳しい弁護士は「面会の充実に加え、養育費の分担などを子供の利益を優先して取り決めることが重要。双方の親が約束を守り続けるような裁判所の運用や行政の支援も求められる」と話している。

子供「引き離し」問題も

 日本は欧米各国と違って離婚後の「共同親権」を認めておらず、親権をめぐる夫婦の争いが激しくなりやすい。
 法廷で親権が争われた場合、裁判所の判断を左右するのは、子供の意思と養育する親の継続性。子供が幼い場合には、養育の環境を変えない「継続性」が特に重視される。
 インターネットの法律相談などでは「親権者になりたければ、子供を手元に置いて相手と別居した方が有利」といった助言が目立つ。
 暴力などやむをえない事情がないのに、子連れで無断で家を出たまま面会に応じない例については、一部の弁護士から「親権目的の子供の引き離し」との指摘もある。

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