両親の愛情が子どもの健全な成長に不可欠であるとの認識のもと、子どもの連れ去り別居、その後の引き離しによる親子の断絶を防止し、子の最善の利益が実現される法制度の構築を目指します

平成28年3月30日、弁護士ドットコム

別居時に妻が連れ去った娘の「親権」 5年間会えなかった「夫」が裁判で勝ち取る

夫婦の別居に伴い、幼い娘を妻に連れて行かれ、約5年間面会させてもらえなかった埼玉県の男性(40代)が、娘の「親権」などをめぐって妻と争っていた離婚裁判で、千葉家裁松戸支部は男性を親権者と認める判決を出した。男性側の代理人によると、子どもと一緒に暮らしていない親が親権を得るのは珍しいという。判決は3月29日付。

男性側の代理人の上野晃弁護士は3月30日、東京・霞が関の司法記者クラブで会見し、「フレンドリーペアレントルール(寛容性の原則)を明確に採用した、おそらく初めての画期的な判決だと思う」と語った。

親権をめぐる「寛容性の原則」と「継続性の原則」

寛容性の原則とは、もう一方の親と子どもとの関係をより友好に保てる親を「親権者」とする考え方だ。これに対し、裁判所は従来、子どもと一緒に暮らしてきた「継続性の原則」を重視してきた。

上野弁護士は「これまで子どもを連れて別居した場合、その実態を重視して、理由はどうであっても、子どもはそのままそこで生活するようにしましょう、としてきた。(子どもと同居している方の)親の機嫌を損ねたら子どもの福祉を損なうという理由があった」という。

しかし、今回は、元妻が男性に対し、どれだけ子どもとの面会時間を認めたのかが、判決を大きく左右したという。

判決文などによると、男性は妻に対し、年約100日の面会を認め、約束を破った場合は親権者変更の理由になることなどを提案。これに対して、妻は月に1回、2時間程度の監視付きの面会しか認めないと主張していた。

千葉家裁松戸支部は、妻が突然、娘を連れて別居したことや、約5年間にわたり男性と面会させなかったことなども考慮し、男性を親権者とした方が、両親に会える機会が増え、娘の利益になると判断した。

この裁判は、妻が離婚を求めて提訴し、同時に娘の親権も求めていた。今回の判決で、妻の請求通り、離婚は認められたが、親権は妻ではなく、夫に認められた。

上野弁護士は「(裁判所が)これからは『もっといい親をやります』とアピールした方を親としますよ、という大岡裁きの方向性に舵を切った判決なんじゃないか」と印象を語った。

「子どもにとって最良の環境を」

記者会見に出席した男性は次のように語った。

「いくら私が妻を嫌いであっても、娘からしてみれば大切な母親。夫婦の関係は仮に切れるとしても、親子の関係は切ってはいけない。(娘が)両方の親から愛情を受けて育っていると感じられる環境を作っていきたかった」

男性が娘と最後に会ったのは、2歳のとき。娘はこの4月から小学3年生になる。男性は会見後、弁護士ドットコムニュースの取材に対して、「別居してからは6年になる。娘には時間がかかって申し訳ないと思う。これからの生活に不安がないといえば嘘になる。だからこそ、娘とずっと暮らしてきた元妻とは、情報の共有などで協力していかないといけない」と語った。

その上で、子どもの親権をめぐり、争っている親たちに向けて、次のようなコメントを口にした。

「離婚するのは親の勝手かもしれないが、そのしわ寄せが子どもに来てはいけない。連れ去った側は、相手が嫌いだから、なるべく子どもを会わせたくないだろう。でも、自分が嫌いだからといって、子どもにもそれを強いないでほしい。子どもにとって、最良の環境を考えてほしい」
弁護士ドットコムニュース)

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