平成27年7月10日、産経新聞2
親権争い、子供の引き渡しの審判、調停長期化傾向 最高裁の検証で浮き彫りに
裁判の迅速化について検証を続けている最高裁は10日、報告書を公表した。報告書によると、親権や子供の引き渡しをめぐる問題などが争われた審判や調停の平均審理期間は平成26年で約7.4カ月と10年前に比べ約1.6カ月長くなっており、迅速化に逆行している実態が浮き彫りになった。
報告書によると、養育費や未成年者の扶養料請求をのぞく親権や子供の引き渡しなど、子供の監護権に関する審判や調停の全国の家裁での平均審理期間は、26年が約7.4カ月。25年は約7.1カ月、17年が約5.8カ月と、この10年間はほぼ右肩上がりで長期化している。一方、養育費や未成年者の扶養料請求は、平均審理期間が17年で約4.3カ月、26年は約4.6カ月とほぼ横ばいだった。
子供の監護権に関する全国の家裁の新規申し立て件数は、17年で2万5728件だったが、26年は4万1603件と10年間で1.5倍以上になった。
最高裁は、親権争いなどの長期化や増加の背景として、当事者の権利意識の高まりで調整が難航するケースが多くなっていることを挙げ、「少子化の進行の反映か、子供と一緒に過ごしたいという思いが強いなど、当事者の感情的対立がより先鋭化しているのではないか」と分析している。
最高裁では15年に施行された裁判迅速化法に基づき検証を行っており、2年ごとに結果をまとめて公表している。今回は6回目の報告。
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