両親の愛情が子どもの健全な成長に不可欠であるとの認識のもと、子どもの連れ去り別居、その後の引き離しによる親子の断絶を防止し、子の最善の利益が実現される法制度の構築を目指します

平成27年6月10日、産経新聞

離婚後の父「子供に会いたい」 「面会」申し立て、10年で2.5倍

 離婚後に親権を持たない親などが子供との面会を求める家庭裁判所への調停申し立てが、最近10年で2・5倍に増加している。このうちの7割は父親からの申し立てとみられ、子育てをする父親、“イクメン”が増え、離婚後も子供との交流を求めていることが背景にあるようだ。(村島有紀)

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 埼玉県に住む公務員、岡田健治さん(42)=仮名=には、中学1年の長男(12)と小学5年の次男(10)がいる。しかし、5年前に妻が2人を連れて突然、家出。子供と会えなくなったため約1カ月後に、面会交流などを求めて家庭裁判所に調停を申し立てた。妻もほぼ同時に離婚調停を申し立て。調停では話し合いがつかず訴訟の結果、2人の子供の親権は福岡県で暮らす妻が取得。岡田さんは子供1人に月5万円(計10万円)の養育費を払い、月に1回、面会するという取り決めで2年前に離婚が成立した。

 しかし、だんだんと面会は拒否されがちになり、今は長男の進学先も分からない状態だ。岡田さんは「もともと自分は育児に積極的で子供は母親より私になついていた。子供が親と会うのは当然のことなのに」と唇をかむ。

かけがえのない

 平成15年に約28万件だった離婚件数は25年には約23万件に減少している。一方、面会交流調停の新規受理件数は、15年に4203件だったが25年は1万762件と、10年で2・5倍に増加した。

 両親が離婚する子供は年間23万人に上るが、日本では両親のどちらかが親権を独占する単独親権制。離婚時の末子の平均年齢が4・5歳(母子世帯)と幼く、養育の必要性などから母親が親権を持つ割合は約8割に上る。離婚訴訟でも母親に親権を認める傾向が強い。

 早稲田大法学学術院の棚村政行教授(家族法)によると、面会交流を求める調停申し立ての約7割が父親からとみられ、「育児に関わる父親が増えたことが大きい。離婚後も子供と交流したいという気持ちが強いのだろう」とする。また、「少子化により、子供はかけがえのない存在になった。孫に会いたい祖父母が、息子を後押ししていることも一因」とみる。

親権奪い合い

 面会交流の要求だけでなく、父母間で子供を奪い合うケースもあり、養育をめぐる対立は一部で激化している。親権を持つ親が親権を持たない親に子供を奪われたなどとして、子供の引き渡しを求める調停申し立ての件数は、25年までの10年で540件から1197件と2・2倍に増加した。また、親権とは別に、子供の同居者(養育者)として父母のどちらが適任かを話し合う監護者指定調停の申し立ても、3・4倍に増加した。

 子供と離れて暮らす親らで作る団体「親子の面会交流を実現する全国ネットワーク」(東京都渋谷区、会員数331人)の佐々木昇代表(51)は「最近は、父親が子供を連れて家を出ることも増えている」と指摘する。

 棚村教授は「夫婦の対立に子供が巻き込まれると、子供に大きな影響が出る。離婚後も双方の親から愛情と援助を受けられるよう、子供の視点での支援が必要だ」と話している。

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 ■「子供の視点で」自治体支援

 子供の視点に立った支援をしようと、円満な離婚と、離婚後の共同養育を促す試みが一部の自治体で始まっている。兵庫県明石市は昨年4月から、別居中や離婚後の子供の養育費の支払いや面会交流の取り決めを促すプロジェクトを開始。元家庭裁判所調査官らによる相談体制の充実のほか、離婚後も父母の間で子供の情報を共有するため、日常生活や面会交流の内容を記録する冊子(養育手帳)などを配布している。鹿児島市は明石市の取り組みを参考にした文書を市役所などで配布している。

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