両親の愛情が子どもの健全な成長に不可欠であるとの認識のもと、子どもの連れ去り別居、その後の引き離しによる親子の断絶を防止し、子の最善の利益が実現される法制度の構築を目指します

平成26年4月11日、日本経済新聞

子の利益最優先で条約運用を

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     国際結婚が破綻した際、子どもをめぐる国境を越えた争いをどう解決するか。その基本的なルールを定めたハーグ条約が1日、日本で発効した。日本人の母親が子どもを連れて帰国するケースが相次ぎ、米国などが「連れ去りだ」として加盟を強く求めていた。

 国際ルールで紛争を解決するのは、当然だろう。ただ個別の事情は様々だ。子の利益を最優先に、丁寧に運用していく必要がある。

 親の片方が16歳未満の子を、居住していた国から一方的に国外に連れて行った場合は、もとの国に子どもを戻したうえで紛争を解決する。これが条約の原則だ。住み慣れた居住国にいることが子の利益になるという考え方がある。

 たとえば、母親が子どもを連れて日本に帰国した場合、外国人の父親の申請を受けて、外務省が子どもの居場所を捜す。母親が子どもを居住国に戻すことに応じなければ、最終的に家庭裁判所が判断する。

 日本では、加盟に慎重な意見も強かった。配偶者による暴力(DV)から逃げるように帰国した母親が少なくないとされるためだ。

 こうした個別の事情への配慮はもちろん必要だ。条約は、子に重大な危険がある場合は例外としている。条約の具体的な手続きを定めた国内法では、家庭裁判所が判断する際には、子どもに悪影響を与えるようなDVのおそれの有無も考慮するとされた。

 ただし証拠がなければ裁判所も判断できない。海外でDVに悩む親に対し、在外公館が相談に乗るなどの支援が必要になる。

 子の利益を考えるうえでは、親同士の対立が先鋭化しがちな裁判所に行く前に解決できる仕組みを充実させることが大切だ。今回、裁判外の紛争解決手続き(ADR)機関として、弁護士会などの5カ所が外務省の委託を受けた。しっかり機能すれば、早期かつ柔軟な解決が期待できる。

 紛争の未然防止には、ハーグ条約について、広く一般に周知することも必要だろう。

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