寄稿SeasonⅡ③
Season Ⅱ ③娘の笑顔
Yoshiさん(静岡県の福祉職、39歳)
聞き手・Masaくん(気弱なジャーナリスト)
Yoshiさん 「保育園面会交流」をするときは、面会の数日前に園長先生に連絡しておき、当日も事前に電話します。午後3時ごろに電話で「午後3時40分ごろにそちらへ行きます」と連絡します。園長先生は「いいですよ」と言ってくれます。面会交流の許可は30秒以内で取れるんです。
父母が顔を合わせないようにするのでトラブルはなく、ほかの保護者に紛れて面会する方法ならば、園の運営に支障は出ません。
特別なことはしません。子供が滑り台やブランコで遊んでいるのを見たり、手をつないで園庭を歩いたり、保育士と子供の生活について話をしたり、公開されている学級通信で行事の情報を得たりするだけです。
私が来訪すると、ほかの子供たちが「○○ちゃんのパパが来たよ!」と言います。娘はニッコリ笑います。子供にとって「自分は父親から捨てられたわけではない。自分は父親から愛されている」ということを確認する大事な時間です。
Masaくん 保育園面会交流の最大のメリットといったら何でしょう。
Yoshiさん 娘は3月生まれで体が小さく、成長も遅い。他の子がしっかり会話しているのに、自分は話すことができません。他の子におもちゃを取られてしまい、よく泣いていました。私は同居中に娘が保育園で笑顔だったことを見たことがありませんでした。
しかし、8カ月の別居中に娘は成長し、しっかり言葉を話せるようになりました。おもちゃを取られても「わたしの!!」と言って取り返すなど、気が強くなりました。
前回触れた鉄棒の足抜き回りができなかったときは、悔しくて涙を流すのを見たことがあります。できるようになって私が「すごいよ!えらいよ!」と褒めると、満面の笑顔で繰り返すのでした。このように子供が成長する瞬間を見られるのが、一番のメリットだと感じます。
親が子を育てる喜び、それは憲法が定める「幸福追求権」です。人は生まれながらにして基本的人権を有し、それを妨害することは不法行為です。
更新 2021-12-20 (月) 06:52:10
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