両親の愛情が子どもの健全な成長に不可欠であるとの認識のもと、子どもの連れ去り別居、その後の引き離しによる親子の断絶を防止し、子の最善の利益が実現される法制度の構築を目指します

令和2年11月27日、アゴラ

離婚後も親子が会える「共同親権社会」の実現を、「プペル」で支援しよう

牧野 佐千子 ジャーナリスト

夫婦が離婚したあとも、子どもに対して父親と母親の両方が親権を持つ「共同親権」化への法改正に向けて、全国各地でイベントや街宣活動等が行われ、国家賠償訴訟も次々と提訴されている。離婚後も親子が当たり前に会える共同親権社会の実現に向けて、今、大きな「うねり」が起きている(拙稿:親子を引き離す「単独親権制度」を放置:父母6人が国を提訴参照)。

日本ではこれまで、離婚すると夫婦のどちらかだけが親権を持つことになる「単独親権」制度のもと、離婚後に子どもが一方の親と会えなくなったり、一方の親が親権を取るために無理やり子どもを連れ去るなど、子どもの人権を無視した制度が問題となっていた。EUやアメリカ、オーストラリアからも、親と引き離されない権利などを謳った「子どもの権利条約」等に反すると日本政府に非難の声があがっている。(EUが日本非難!「子ども連れ去り」を止める法改正を
これまでは、子どもに会えなくなった別居親に対して「家庭内暴力(DV)など、問題がある親」だから会えなくしているとの誤解が多く広まっており、共同親権を推進する別居親らの当事者団体の活動も、多くは「DV親が子どもと逃げた母親を脅している」などと中傷されてきた。(被害を訴えたもの勝ち?DV支援措置は「不貞がバレない」欠陥制度か
そこに立ち上がったのは、離婚しても夫婦の関係は子どもに持ち込まず、協力して子どもを育てたいという「シングルマザー」や「別居親の母」たちだった。(新法務大臣・上川氏は、親子引き離し当事者の声に答えられるか
このほど、「離婚後も協力して子どもを育てたい」との想いを共有するシングルマザー団体と別居親団体が協力し、5400人のひとり親家庭の子どもに、一冊ずつ絵本『えんとつ町のプペル』を贈るクラウドファンディング・プロジェクト「I’m poupelle project」を立ち上げた。

なぜこの絵本なのかというと、プペルの物語は「父を失い母と二人で暮らす少年が、父の魂に出会える物語だから」だという。吉本興業発のクラウドファンディング『シルクハット』上で絵本を贈る資金を募る。支援は、2500円から30万円までリターンに応じて選ぶことができる。12月25日までで、目標金額は13,500,000円。
絵本はこちらのサイトで全編公開されている。
プロジェクト立案者の尾崎さんは、一般社団法人「ハートフルファミリー」のボランティアスタッフとしてシングルマザーの自立支援の仕事をしており、プロジェクトは同団体の協力を得て企画されたもの。
同団体代表理事の藤澤哲也さんは、自身も幼少期に両親が離婚。会いたいと願いつつも父親に会えず、大人になってからようやく父親と再会できた経験がある。プロジェクトの話を聞き、「子どもは父親に会いたいと思ってる。父親が会いたいと思い続けていれば、それは子どもに必ず伝わるはず」と、協力を快諾した。
尾崎さんは、「『えんとつ町のプペル』を子ども達や大人が読む事で、世の中がもっと優しくなれると信じています。会えなくても子どもを思うパパがいること、パパに会いたいのに会えない子どもたちがいることを、このプロジェクトを通じて多くのひとに知って頂ければと願っています」と話す。
引き離されて、それでも会いたい多くの父と母、子どもたちの想いを乗せて、共同親権の社会は、もう目の前に来ている。

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