両親の愛情が子どもの健全な成長に不可欠であるとの認識のもと、子どもの連れ去り別居、その後の引き離しによる親子の断絶を防止し、子の最善の利益が実現される法制度の構築を目指します

令和2年11月11日、朝日新聞

別居の親子いつ会える 離婚後の面会交流「不十分」提訴

 離婚などで別居した子どもと親らが定期的に会える「面会交流の制度」が不十分だとして、男女17人が11日、国に計170万円の賠償を求めて東京地裁に提訴した。子どもと会えなくなった親による同様の訴えは過去にも例があるが、この訴訟では子ども3人が初めて原告に加わった。
 面会交流をめぐっては東京高裁が8月、子どもの権利条約について「子の面会交流の権利を尊重する規定だが、親の権利を保障したものとはいえない」と判断し、親が原告となった訴えを退けた。今回は子どもが原告に参加しており、「新しい司法判断が出るかもしれない」(原告代理人の作花知志弁護士)という。
 原告側は訴状で、親子らの面会ができないのは憲法が保障する「基本的人権」を侵害するとし、離婚後の親子面会の必要性を主張した。その上で、法務省や学者らでつくる「家族法研究会」が、別居中や離婚後の子どもの養育のあり方を議論していることをふまえ、新たな面会交流の制度について「国会が立法義務を負うべきだ」と訴えている。

 提訴後の会見には、10歳のときから母の実家で過ごし、父と会えない時期があったという千葉県の男性(20)が原告の一人として参加。母に迷惑をかけたくない気持ちから父に会いたくないと思い込んでいた当時を振り返り、「別居中かどうかに関わらず、父母に甘えたい、頼りたい瞬間はある。面会制度など法律がしっかりあれば、子どもも本音を話しやすい」と話した。
 被告側の法務省は「コメントは差し控える」としている。(新屋絵理)

会えぬ父に募る不安「できるなら、毎週末、会いたい」

原告の一人で、都内に住む男子中学生のコメント(要旨)
     ◇
 僕のお母さんとお父さんは離婚して、お母さんと一緒に暮らしています。お父さんとは月に1回、会っていました。僕はお父さんのことが大好きです。会っているときは楽しいです。ゲームの話をしたり、一緒に映画を見たり、お母さんとはしない遊びをして過ごすからです。
 小学5年生の時からお父さんと会えないことが増えました。電話やメールで次に会える日を尋ねても、返事が1カ月くらいもらえないこともよくあります。会いたい、もっと会いたいと言って、会う回数が減ったら嫌だなと思い直接言ったことはありません。次はいつ会えるのか、とても気になります。
 それだけではなく、本当は、もっと会える回数を増やしたいです。裁判所の調査官の報告書には、お父さんが面会交流に消極的だから、現状を変える必要はない、と書かれていました。
できるなら、毎週末、会いたいです。お父さんと会えるなら、他の予定より優先します。
 もっとたくさん会いたい。今は不安がいっぱいです。

相談にも乗れず「親として当たり前のことすらできない」

原告で、3人の子どもと離れて暮らす千葉県の女性(38)のコメント(要旨)
     ◇
 夫の不貞が原因で、子どもを連れて別居することを決めました。しかし夫は、次女、長男、長女と次々に私の同意なく連れ去り、3年以上会うことも、声を聞くこともできません。
 夫が承諾したのは手紙の送付のみでした。
子どもたちへ「大好き」を伝えるために、毎月手作りのカードを作って送っていました。
 新型コロナウイルスの影響でマスク不足のなか、面倒を見てくれている夫の実家家族にマスクを届けたときは、「曽祖母と連絡をとるな」という連絡とマスクが着払いで送り返されてきました。
 マスクを届けた際に曽祖母から、夫は不貞相手と不貞相手の連れ子と同居していること、長男が不貞相手の子どもたちにいじめられているとも聞きました。
 母親として子どもたちの成長を見守りたい、日常や学校での様子を知りたい、困ったとき悩んでいるときに相談に乗りたい、力になりたい。そんな親として当たり前のことすらできません。離れて暮らしていても何の制限もなく子どもと会い、子どもたちに直接愛を伝えることを、当たり前のことと認めていただきたいです。

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