両親の愛情が子どもの健全な成長に不可欠であるとの認識のもと、子どもの連れ去り別居、その後の引き離しによる親子の断絶を防止し、子の最善の利益が実現される法制度の構築を目指します

令和元年11月22日、日本経済新聞

離婚後「子に関わりたい」 親権のあり方、議論広がる

離婚後に父母の一方しか子の親権を持てない「単独親権」の見直しを求める声が強まっている。親権を持たないため子どもに自由に会えなくなったという父母らが22日、現行制度は違憲として集団提訴した。単独親権を採用する国は先進国では珍しく、離婚後も子育てに関わり続けたいという人は増えるなか、共同親権導入の是非を巡る議論も進んでいる。

「離婚や別居をすると、なぜ愛する子どもと会えないのか」。離婚などで子の養育に関わるのが難しくなった8都道府県の男女12人が22日、国に計1200万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こし、都内で記者会見した。弁護団によると、単独親権制度を違憲として国に賠償を求める集団訴訟は初めてという。

訴状によると、12人は離婚や別居などを機に子と自由に会うことができなくなった。子を養育する権利は憲法が保障する基本的人権にあたり、離婚後の共同親権制度を整備しない国の対応は違法と訴えている。
原告の一人は子どもが1歳半の時に離婚し約11年がたつが「年3回の面会交流が一度も守られたことがない」と訴えた。
親権は親が子を保護・監督し、教育を受けさせたり財産を管理したりする義務と権利を指す。民法は婚姻中は父母が共同で親権を持ち、離婚の際はどちらか一方が持つと規定している。年間約20万組の夫婦が離婚するが、日常的に子の面倒を見ていることが重視され、母親が親権を持つケースが多い。
単独親権は、子育てで進学や医療などに関する意思決定がしやすい一方、親権を失った親は養育に関与しにくくなる面がある。調停や審判を通じて面会の頻度や時間を決めても、守られずに子との交流が絶たれるケースも少なくない。
離婚に際して子どもを巡る争いは増えている。司法統計などによると、子の監護を巡って父母が対立し、申し立てられた調停・審判は2018年に約4万4300件に上り、09年と比べ約1万1千件増加。別居する親が子との面会を求める調停申し立ては18年に約1万3千件あった。

専門家は背景として、共働き世帯や育児参加する父親の増加、少子化などを背景に、子と親の結びつきが強くなっていることを指摘する。
こうした状況を受け大学教授や裁判官らによる研究会が11月、離婚後の共同親権導入の是非について議論を始めた。虐待やドメスティックバイオレンス(DV)を理由に離婚するケースもあるため、導入を前提とした場合、どのようなケースで共同親権を認めるかや、父母がどのように養育に伴う決定に関わるかを整理する。そのうえで、導入が必要と法相が判断すれば、法制審議会に諮問することになる。
早稲田大の棚村政行教授(家族法)は「共同親権は世界的な流れだが、導入であらゆる問題が解決するわけではない」と指摘。「親権の見直しにあたっては子の権利を最優先に考え、虐待やDV被害への支援体制をどう整えるかといった包括的な議論が必要だ」と話している。

■「共同親権」欧米で主流
 法務省の委託調査などによると、米国や英国など離婚後の共同親権を認める国は多い。親との面会交流は「子の権利」として位置づけられ、子の意見を聴いた上で積極的に交流を認める傾向が強いという。
 家制度を色濃く反映した明治民法では、父の単独親権が原則で、母が親権者になるのは父の死亡など例外的な場合に限られていた。戦後の民法改正で現在の制度に改められたが、当時は欧米諸国も単独親権が主流だったため、大きく問題視されることはなかった。
 米カリフォルニア州では1970年代に「共同監護」の制度を導入。離婚後も親子が継続的に面会することが州の基本政策とされ、80年代以降に全米に広がった。監護権を持つ親が面会交流を妨害すれば、制裁金や拘禁などの処罰が科される。
 このほか、韓国は離婚後の親権について父を優先する原則があったが、90年の民法改正で単独親権か共同親権かを選択できるようになった。

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